このサイトで紹介している商品・サービスなどの外部リンクは、アフィリエイトプログラムを利用している場合があります。
今回は【救急・ICUの特化した経験が活かせる転職先】を紹介します。
看護師は病院以外にも働ける場所がたくさんありますが、病院以外の求人は枠が少ない割の応募が多いため、採用されるには厳しい壁です。
そんな中で救急・ICUの経験は、転職するにあたって大きなアピールポイントになります。
この記事では次のことが学べます。
・転職時にアピールできる救急・ICUの経験
・救急・ICUを経験していると有利な転職先
・救急・ICUでどんな経験を積んでおくべきか
救急・ ICUのどんな経験が役立つポイントなのか、転職先と合わせて解説するのでぜひ最後まで読んでください。
病院以外で働く看護師の割合
厚生労働省の調査を参考にすると病院以外の職場で働く看護師の割合は3~4割程度です。
出典:厚生労働省|令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
病院では多くの看護師が配置されること、病院以外は求人数が少なく看護師をあまり配置していないためではこういった結果になっているのではないかと思います。
看護師が病院以外で活躍する職場
看護師は病院で働く人が多いですが、働く場所は病院以外にもたくさんあります。
- CRC(Clinical Research Coordinator)とは、臨床研究コーディネーターのことです。治験に携わる医療機関との調整が中心の仕事です。 ↩︎
- クリティカルスペシャリストとは、別名フィールドナースと呼ばれます。医療機器メーカーに携わり、医療従事者に医療機器の説明など営業・販売業務が中心の仕事です。 ↩︎
- CRA(Clinical Research Associate)とは、臨床開発モニターのことです。治験の進捗をモニタリングする業務が中心の仕事です。 ↩︎
病院以外で働く看護師の平均年収
厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は 5,081,700円 です。
出典:令和5年賃金構造基本統計調査
病院以外の職場別の平均年収の一覧
職場 | 年収相場 |
---|---|
診療所・クリニック | 380~450万円 |
美容外科クリニック | 500~600万円 |
訪問看護 | 440~500万円 |
高齢者向け施設 | 400~500万円*1 |
障害者福祉施設 | 450~500万円*2 |
児童福祉施設 | 400~480万円*3 |
看護師等学校養成所 | 450~500万円 |
健診センター・献血ルーム | 350~420万円 |
イベントナース・ツアーナース | 1万3000円〜1万4000円×回数 |
テーマパークなどの救護室 | 200~300万(時給制) |
一般企業 | 400~500万円 |
ケアマネージャー | 350~480万円 |
官公庁【国家公務員】 | 300~900万円*4 |
医療ライター | 400~800万円 |
時給制や日給制のものもありますが、特別な記載がないものは常勤で計算しています。施設の運営機関や経験年数・役職によって年収の差があります。
救急・ICUの経験が活かせる職場とポイント
救急やICUに診療科は関係ありません。重症患者や急変リスクがある患者であれば診療科関係なく幅広く関わり、学ぶ範囲がとてつもなく広いです。それゆえオールマイティさを求められます。
だからこそ救急やICUは大変なイメージがあるのですが、そこで得た知識やスキルは今後の看護師生活に役立つことだらけです。
病院以外の職場で、救急やICUで学んだスキルがどう活かせるのか。ポイントと選りすぐりの職場を10個紹介します。
クリニック・診療所
クリニックや診療所において、診療科目によっては12誘導の心電図検査の技術が必要です。
しかし救急やICUでは重症患者さんや急変する患者さんの対応のため普段から12誘導の心電図を使っているため、検査を実施できるのでポイントになります。
また広範囲において疾患の勉強しアセスメント力が鍛えられているため、診療科にこだわりなく転職先を探せます。
また救急外来の経験があれば、外来における患者さんとのコミュニケーションや臨機応変に対応する力が役立ちます。
美容外科クリニック
OPE室の看護師の経験には及ばないですが、救急では手術や処置の経験ができます。
手術や処置では基本的となる清潔・不潔の取り扱いや器械だしの介助について勉強しておくことで、美容外科で経験が活かせます。
術式によって使う器具や手順など新たに覚えることはありますが、十分に救急やICUの経験を活かせる場所です。
訪問看護
重症患者や急変時の対応は経験を重ねることでアセスメント力や判断力が上がります。
訪問看護では、訪問先で判断しなければいけないことがたくさんあります。訪問は基本1人のため不安や緊張もありますが、経験した知識があることで気持ちに余裕を持つことができます。
近年訪問看護の事業所は増えていますが、重症管理ができる事業所はそう多くありません。即戦力となって活躍できます。
高齢者向け施設
施設などは看護師の配置が少ない傾向です。利用者さんに何かあった場合は自分が判断しなければなりません。
救急やICUで培ったアセスメント力と判断力があれば、どんなときでも冷静に判断して行動でき、即戦力となって活躍できます。
健診センター・献血ルーム・献血センター
健診や献血で必要なスキルは採血です。
身体が動かす人、血圧が低い人、血管が細い人などあらゆる状況でも迅速に採血、点滴を実施する経験を積んでいます。
採血が得意な人は即戦力になって活躍できます。
イベントナース・ツアーナース・テーマパークなどの救護室
一次救命処置やファーストエイドが業務範囲になっています。急変時の対応が可能であったり、救急外来のファーストタッチしたことある経験の有無がポイントになります。
特にイベントナースやツアーナースは単発の仕事のため教育体制はありません。また1~2人の少人数で派遣されるため即戦力になる人が求められます。
急変時の冷静な判断力やアセスメント力を鍛えておけば活躍できます。
看護師等学校養成所
クリティカル部門の実習がないため学生たちにとっては救急やICUはイメージしにくい職場です。
実際経験したエピソードを聞けることは貴重な経験であり、学生にとって大きな学びになるでしょう。また重症患者や急変時の対応を経験したからこそ、重症化しないための先を見据えた看護が指導する上で役に立ちます。
児童福祉施設
救急は年齢・性別問わず関わりがあるため、 子どもたちとの関わりも経験しています。
子どもは急変しやすいです。少し遅れることで大変なこともあります。看護師の配置は基本1人のため判断力とアセスメント力が必要になるため、いろんな経験をしてる人は周りより一歩差をつけれます。
救急で経験した知識と冷静な判断が活かせます。
一般企業
救急やICUでは一般病棟では使わない医療機器や薬剤など最新のものも含め取り扱うものが多いです。
また疾患についても広範囲の勉強をするため知識も豊富です。
救急やICUで培った知識や経験を活かしたコミュニケーションが役に立ちます。
医療ライター
医療に関する記事を書くWebライターのことです。
救急やICUはそこでしか経験できないことが多いです。また知識も豊富で、特化した内容の記事が書くことができます。
新人が病院以外に就職するのはかなり難しい
救急やICUで働いた経験にフォーカスを置いて紹介してきましたが、救急やICUでなくても看護師の経験があれば十分に転職は可能です。
しかし、病院以外の職場では即戦力の人材を求めているため、新卒では就職することが難しいのが現状です。
求人でも必須経験年数が書かれているものが多く、臨床で経験してからの方が転職しやすいです。
救急では病棟、外来、クリティカル領域など多くの経験が積める場所になっています。
多くの経験が積める分大変なこともありますが、今後の看護師活動を考えると転職の幅は広がります。
今後のライフスタイルを考えて職場を決めるといいでしょう。
病院以外に転職するときに知っておくべき5つの注意点
転職を考えるのであれば、病院と病院以外で働くにはどんな違いがあるのか知っておきましょう。
5つ紹介するので順番に解説します。
年収について
病院以外の職場は夜勤がないことが多いです。日勤のみでは収入が下がる職場は多いです。
しかし職種によってはUPするものもあります。年収相場一覧を参考にしてください。
求人倍率について
病院以外の就職先が少ない上に看護師の配置も少ないです。
また募集枠も空くことは稀で、枠が空いても募集人数に比べて応募者数が多いのでなかなか狭き門になっています。
救急やICUの経験を積んでおくことは狭き門の枠を勝ち取るためのアピールになるでしょう。
勤務体制
病院以外に転職すると夜勤がないところは多くあります。また休日が決まっているため先の予定まで立てやすいです。
しかし病院のように看護師配置が多くないため、好きなところを自由に休みを取るのはなかなか難しいです。
職場によってメリット・デメリットは違います。転職を考えるときは何を優先したいかをよく考えましょう。
教育体制
経験者を採用することが多いので、基本的な看護技術の教育はないに等しいです。
また人員配置も最低限で行っているため、ゆっくり教えてもらう時間がないことは理解しておきましょう。
経験が少なかったり、不安がある人は自主性を持って取り組むことが行動が大切になります。
物品・コストについて
総合病院でも物品管理やコストを考えていますが、正直ちょっと大雑把なところがあります。大きい総合病院だと担当のクラークが常駐しているので発注など事務処理はお願いすることも。(わたしが働いていたところは実際よくお願いしていました。)
しかし病院以外の職場では自分で発注〜管理までしないといけません。また発注の際はコスト面を考えて物品を選ぶ必要もあります。物品も必要最低限になりますので総合病院と同じように物品は使えないことは理解しておかなければいけません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?いろんな職場がある中、救急の経験が役立つ職場をメインに取り上げました。
救急・ICUは関わる範囲が広く、オールマイティさを求められます。救急・ICUは大変でしんどいと思われがちですが、そこで得た知識は今後、生活スタイルが変わったとしても役立つ経験になるでしょう。
いろんな経験を積んで看護師ライフをたのしんでください。
出典:
令和5年賃金構造基本統計調査
公益社団法人日本看護協会|2021年看護職員実態調査
*1:厚生労働省|介護従事者処遇状況等調査結果(令和4年度)
*2:厚生労働省|障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(令和4年度)
*3:内閣府|幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 (令和元年)
*4:公益社団法人日本看護協会|国家公務員看護師等俸給表
医療職俸給表(三) Salary Scale for Nursing Personnel (3)(令和4 年法 81) (Law No. 81 2022)
このブログを運営者
おさちん
看護師経験10年以上。終末期、救急を経験。
勉強嫌いなわたしが学生時代にした勉強方法や実習生活、看護師になって経験したことなど、今まで経験したことが”ちょっと”でも誰かの役に立てたらと思い発信しています。