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この記事はこんな方にオススメです
・救急病棟へ異動になった看護師
・救急で働くことになった新人看護師
・救急で働きたいと考えている看護学生
仕事に慣れ、後輩もできて中堅看護師になった頃、異動で急に救急へ配属なった方。
また救急の経験がないのに、転職したら配属先が救急だった方。
急展開すぎてちょっと焦りますよね。
「〇〇科以外ちょっと不安。でも勉強してない人、できない人なんて思われたくない。」
そんな方に働き始めるまでに勉強すること、知っておくことを紹介します。
不安なく仕事が始められるように、この記事を読んで備えておきましょう。
わたしが実際使った本も一緒に紹介してるので、ぜひ参考にしてください。
基本を強化する
働いていた分、持っている知識も多いと思いますが、いきなり難しいこと勉強しても嫌になるだけです。
救急では診療科関係なく、なおかつ重症患者と関わります。重症管理は複雑な内容も多いため、頭の中が混乱しやすいです。病態整理、バイタルサインの基礎から勉強しておきましょう。
病態生理
救急は救急科であり、特定した診療科ではありません。
そのため勉強範囲が広く、短期間で全ての疾患を勉強するのは難しいので、経験が少ない診療科から勉強して身につけておくといいかもしれません。
ほかには、関わることが多いと予想される疾患から勉強を始めるのもオススメです。経験を踏まえて、いくつかリストアップしてみました。何から始めるべきかわからない場合は、以下の疾患から勉強を始めてみるのもいいかもしれません。
- 循環器:狭心症、心筋梗塞、心不全
- 消化器:胆嚢炎、胆管炎、膵炎
- 整形外科:大腿骨頚部骨折、脊髄損傷
- 脳神経:脳梗塞・脳出血(くも膜下出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫)
- 呼吸器:肺炎、COPD増悪
- 精神科:薬物過量内服
バイタルサイン
救急、重症病棟ではバイタルが不安定の患者が多くいます。バイタルの基準値と異常値、そしてバイタルが変動する要因と機序をつなげて考えるようにしておきましょう。
またショックは異常の早期発見にするのに必要な知識です。
救急では状態が不安定な患者が多いため勉強しておくことをおすすめします。
ショックは分類は以下になります。[1]
- 心原性ショック
- 低容量性ショック
- 血液分布異常性ショック
- 閉塞性ショック
外傷について勉強する
救急に配属されると病棟と外来の両方が管轄になるでしょう。施設によってシステムはさまざまですが、外傷患者と関わることは多いため、外傷について学んでおくことは大切です。
特に三次医療施設では、高度医療を行うため重症外傷患者が来院します。外傷によって起こる症状やどんな反応が見られたら危険な状態なのか勉強しておきましょう。
外傷概論
外傷は外から力が加わったことで起こる、骨折や創傷、出血などの身体の怪我です。
交通事故、転落、火災、鋭利なものに創傷、スポーツによる怪我など、外傷にはさまざまな受傷機転*があります。
*受傷機転:外傷を負った原因や経緯のこと
バイタルの変化、全身の傷の観察(骨折、傷、腫脹、出血の有無)や、血液検査や画像検査の内容など、外傷患者の基礎を勉強しておきましょう。
外傷各論
外傷の基本を学んだらに、各論の勉強に進みます。
外傷は受傷機転や外傷部位によって、処置はもちろん注意するべきことが違います。病態生理から看護まで合わせて勉強しましょう。
経験をもとに勉強しておくとよいものを、以下にリストアップしました。
- 頭部外傷
- 胸部外傷
- 腹部外傷
- 骨盤骨折
- 脊髄損傷
- 四肢骨折
- 熱傷
- 薬物過量内服
わたしは外傷について勉強できていない状態で就職し、内科しか経験していなくて、何を勉強したらいいのかわからず困っていました。そんなときに以下の本を紹介されました。臨床で経験する前に知っておくべき基本が勉強できるのが良かったです。
重症病棟で必要な知識・技術
重症病棟では、一般では管理しない動脈ライン(以下、Aライン)管理や定期的な血液ガスの測定、中心静脈圧測定(以下、CVP測定)、微量計を使った尿量測定などを行い、細かく全身状態を観察しています。
観察は毎日のことなので、前もって勉強しておくと、働き始めたときに理解しやすくなるでしょう。
動脈ライン(Aライン)
専用の留置針を動脈に留置し、血圧を測定します。Aラインを留置している患者は観血的動脈測定(ABP)*の数値と波形が常時モニタリングされるため、変動したときにすぐ気づけます。
*観血的動脈測定(ABP):動脈ラインで測定される血圧のこと。
留置するのは医師ですが、0点校正*、刺入部の観察、固定の緩みやズレ、血圧の波形が出ているかの観察などは、患者のそばにいることが多い看護師の管理になります。重症患者をみる上で知っておくとよいでしょう。
*0点校正:血圧を正確に測定するために、心臓と測定器を同じ高さにしてリセットすること。
血液ガス
血液ガス(以下、血ガス)は呼吸器の管理をしている人、重症疾患や外傷により代謝異常を起こした患者が定期的に測定するものです。血ガスの値をアセスメントは重症患者の看護で、頻繁に目にするため基本となる知識になります。
またアセスメント以外にも採取する方法を事前学習しておきましょう。血ガスは、挿入しているAラインから採取します。院内によって看護マニュアルを用意しているはずなので、手順を一度チェックしましょう。
CVP(中心静脈圧)
右心房に流れてくる血圧の指標になるものです。CVを使って測定します。基準値と異常値について知り、CVPを測定することでどんなことがわかるのか勉強しておきましょう。またCVPも0点の設定と圧バックの作成が必要です。
尿量測定
重症患者は尿道カテーテルを入れて尿量管理していますが、ほとんどが微量計をつけて尿量を1時間毎に測定しています。
重症管理ではIN/OUT量をチェックがとても重要になるので、1時間に必要な尿量がすぐ計算できるように、計算式を知っておきましょう。
重症管理の基本が書いています。基礎から一歩進んだIABPやPCPSなど超重症管理の看護まで幅広く学べる一冊です。少し厚めで荷物になるかもしれませんが、情報量が多く働き始めの頃は仕事のお供に役立ちます。
まずは基本から押さえて勉強しよう
救急は勉強することが多く、大変なイメージだけで不安になっていませんか?わからないことがあると不安になりがちですが、この記事で紹介した項目を勉強して、少しでも不安を減らしておきましょう。
実際仕事を始めると、知らないことが見えてくるので何を勉強すべきかわかってきます。まずは働き始めるその日に備えて、基礎を押さえておきましょう。
【参考】
[1]ショックの初期対応