
「失業保険って、実際いくらもらえるんだろう…」
「退職したら、すぐに振り込まれるの?」
「しばらく働かなくても、失業保険だけで生活できるのかな…」
退職を考え始めたとき、こんな疑問や不安が頭をぐるぐる回っていました。
看護師として働いていると、「失業保険をもらえば、少しは休めるのかな」「なんとか生活できるんじゃないか」
と考えることがあるかもしれません。
わたし自身、看護師として10年以上働き、これまでに2回、退職後に失業保険を受給しました。
実際に経験して感じたのは、失業保険は確かに助けにはなるけれど、それだけで安心して生活できるほど余裕のある制度ではないということです。
申請してもすぐにもらえるわけではなく、想像より受給額が少なかったり、さらに健康保険や住民税などの支払いがあります。
この記事では、私自身が退職後に直面した「お金のリアル」をもとに、失業保険と退職後のお金について、不安になりやすいポイントを正直にまとめました。
- 仕事を辞めようか迷っていて、失業保険の現実を知っておきたい看護師さん
- 退職後のお金について、なんとなく不安を感じている方
- 失業保険に頼りすぎず、落ち着いて退職を考えたいと思っている方
失業保険のもらい方など、失業保険について知っておきたい基本については、以下の記事で詳しく解説しています。


失業保険と退職後のお金で不安になりやすいポイント3つ


退職を考えたとき、わたしが特に不安に感じたのは「お金」のことでした。
失業保険があるとはいえ、実際に直面してみると、想像と違う点も多かったです。
ここでは、退職後に特に不安になりやすかったポイントを3つに分けて整理します。
失業保険は申請しても、すぐに受給されるわけではない
失業保険は、退職したらすぐ振り込まれるものではありません。
自己都合退職の場合、ハローワークでの手続き、7日間の待期期間の後に給付制限期間があり、初回給付までにはどうしても時間がかかり、その間は、基本的に無収入。
貯金がなければ、生活費はすべて持ち出しになります。
「とりあえず辞めて、失業保険で何とかしよう」と考えていると、この空白期間が想像以上にしんどく感じることがあります。
受給できる額は想像より少ない
失業保険の金額は、「基本手当(日額)×給付日数」で決まります。
この「基本手当」は、退職前の給料をもとに計算されます。
正確には「離職前6か月間の給与(賞与を除く)の平均 × 給付率」ですが、正直なところ、計算式を細かく理解していなくても大きな問題はありません。
大切なのは、給料と同じ額がもらえる制度ではないという点です。
給付率は、年齢や賃金によって異なり、看護師の場合、おおよそ給与の50〜80%程度が目安になります。
ただし、上限や下限があるため、「給料が高い=その分たくさんもらえる」というわけでもありません。
フルタイム看護師の場合|1か月の支給額イメージ
厚生労働省が公表している目安をもとに、フルタイムで働く看護師の給料を想定すると、失業保険の支給額はおおよそ次のようなイメージになります。
| 月収 | 20万円 |
|---|---|
| 支給額の目安 | 約13~14万円 |
| 月収 | 30万円 |
|---|---|
| 支給額の目安 | 約17~18万円 |
| 月収 | 40万円 |
|---|---|
| 支給額の目安 | 約20~21万円 |
- ここでいう月収は、離職前6か月間の「総支給額(賞与を除く)」をもとにしています。
- 年齢や賃金によって給付率(45〜80%)は変わります。
- 制度や支給額は改正されることがあり、実際の金額は離職票をもとにハローワークで計算されます。
(本記事は令和8年1月時点の情報をもとにしています)
失業保険は、これまでの給料の代わりになるほどの金額ではありません。
離職前の給与をもとに計算されますが、実際にもらえるのはその一部です。
「思っていたより少ない」これは、多くの人が感じる正直な感想でした。
毎月の家賃や生活費を考えると、失業保険だけで生活を回すのは、正直かなり厳しいと感じました。
退職後に必要となる固定費
収入が減っても、支払いは止まりません。
むしろ、今まで給料から天引きされていたものを、自分で払う必要が出てきます。
退職後に一気に「お金の現実」が見えてくるのは、このタイミングでした。
退職後に思った以上に減っていくお金のリアル


失業保険の金額を知っても、それだけで安心できたわけではありません。
収入が減っても、支払いは変わらず続きます。
ここでは、退職後に実際に負担として大きかった固定費についてお伝えします。
健康保険の選択
退職すると、職場の健康保険は使えなくなります。
そこで選択肢になるのが、以下の3つです。
- 国民健康保険
- 任意継続
- 家族の扶養に入る
国民健康保険は、前年度の収入をもとに保険料が決まるため、収入がなくなった直後は、保険料が高くなりやすいです。
任意継続は、退職後2年間まで社会保険に入れる制度ですが、これまで会社が負担していた分も含めて、全額自己負担になります。
家族の扶養についても、看護師の場合は収入が多いため、条件を満たせず入れないケースもあります。事前の確認が欠かせません。
自分にとって最適なものはどれか、比較して考える必要があります。
住民税は 「前年の収入基準」
意外と盲点だったのが住民税です。
働いている間は給料から天引きされているため、「いくら払っているか」を意識することがほとんどありませんでした。
退職前後はバタバタしていて、少し落ち着いた頃にやってくるのが住民税の請求です。
しかも住民税は、前年の収入をもとに計算されます。
そのため、退職して収入がない、もしくは減っている状態でも、「フルで働いていた頃の収入基準」で請求が来ます。
納付書を見たときに「え、こんなに払うの?」と思っていた以上に金額が大きく、正直驚いた記憶があります。
私は、2回目の退職時にふるさと納税を始めていました。
ふるさと納税は、住民税の総額が安くなるわけではありません。
仕組みとしては前払いに近く、冷静に考えると、支払う住民税のトータルは大きく変わらないです。
ただ、退職後の無収入のタイミングでは、「すでに一部をふるさと納税で支払っていた」という感覚があり、実際に納付書で支払う金額が少なく見えた分、心理的にはかなり助けられました。
「支払わなくていい」わけではないけれど、無収入の時期に、現金で出ていくお金が少なく感じる。
この差は、想像以上に大きかったです。
ただ、退職を見越してふるさと納税をしていたわけではありません。
しかし、あとから振り返ってみると、退職後に住民税の支払いが重なったタイミングで「少しでも前払いしていた自分、よくやってたな」と思いました。
それでも、無収入の身にはダメージある金額の納付書が届くのは変わらないですけどね。笑
でも結果的に、退職後の負担感が軽くなって、わたしは「やっていて良かったな」と感じています。
※あくまで個人の体験談であり、積極的におすすめするものではありません。
国民年金と免除制度
会社員として働いている間は、国民年金と厚生年金をあわせて支払っていますが、退職すると、支払いは国民年金のみになります。
退職後は収入がなくなる、もしくは大きく減るため、国民年金の支払いが負担になることもあります。
その場合に利用できるのが、国民年金の免除制度です。
免除された期間も、あとから追納すれば、将来受け取る年金額に反映されますので、払えなかったら終わりということではありません。
ただ、実際「追納の手続き、正直めんどうだな…」と思う場合、貯蓄に余裕があれば、免除制度を使わずに、そのまま支払う選択をするのもアリです。
制度を知っておくと、その時の自分の状況に合わせた選択肢を持てるので、安心感に繋がります。
そして、ここで気になるのが、国民年金はいくらかかるのか。
2026年2月時点(※)での国民年金保険料は、月額17,510円です。1)
また、国民年金はまとめて前払い(前納)することで、保険料が割引になる制度もあります。2)
「免除を使うか」「そのまま支払うか」は、正解はありません。
しかし、金額の目安を知っておくことで、選択肢がまた一つ増えます。
※制度や金額は変更されることがあります。最新情報は、日本年金機構の公式サイトをご確認ください。
意外にかかる生活費
仕事を辞めたからといって、生活スタイルをすぐに大きく変えられるわけではありません。
家賃、食費、光熱費、日用品…
実際に使っている金額を洗い出すと「こんなに使っていたんだ」と実感しました。
節約ももちろん大事ですが、それ以前に必要なのは、自分がいくら使っているかを把握することでした。
収入が減ると、どうしても「何を削るか」「何を我慢するか」ばかり考えてしまいがちです。
しかし、何にいくら使っているのか分からないままだと、結局、どこを調整すればいいか判断ができません。
そこでわたしは、支出を把握するために家計簿アプリを使って、”お金の流れを見える化”をすることにしました。
家計簿をつけた経験はほとんどなかったので、
- 固定費(家賃や光熱費、保険代など)
- 生活費
- 交際費
- その他
といった具合に、ざっくり分けるところから始めました。
それだけでも、「何に」「どれくらい」使っているのかが見えるようになり、漠然としていた不安は、少しずつ落ち着いていったように思います。
ちなみにわたしが使っている家計簿は、マネーフォワードMEアプリです。
銀行やクレジットカードを連携できることで、自動的に収入と支出が登録されるため、めんどくさがりのわたしは助かりました。
カードを使わなかった支払いの入力も、簡単にできます。
支出はグラフで表示され、何に多く使ったか見直しやすいのもいいと思いました。
無料のプランは閲覧期間など一部制限はありますが、まず試しに使ってみるのはアリです。
コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えた頃、 「この先ずっと、今と同じように働けるとは限らないよな…」
そんな不安を感じるようになりました。
- もし体調を崩して仕事ができなくなったら…
- もし今の働き方を続けられなくなったら…
収入源が一つしかない状態に、正直ちょっと怖いなと思ったのがきっかけです。
副業など、収入を増やす方法を調べていく中で知ったのがNISAでした。
投資と聞くと、元本割れのイメージが強くて、不安がなかったと言えば嘘になります。
家から出れなくて時間だけはあったので、いろいろ調べていくうちに
「少額から始められること」
「生活に支障をきたさない範囲で続けられること」
「働きながらでも無理なくできること」
が、自分には合っていると感じて始めてみようと思いました。
ただ、投資は初めてだったので、始めはかなり緊張しました。
ーーーーーーー
始めた当時は、正直、仕事を辞めることなんてまったく考えてなくて、「少しでも将来の自分のために、自分の資産を増やしておけたら」という気持ちでした。
結果的に、その後仕事を辞める選択をすることになり、あのとき、少しずつでも将来受け取れるお金を作っておいてよかったなと感じてます。
もちろん、退職直後に資産運用を始める必要はないと思います。
収入が不安定な時期は、まず生活を整えることが最優先です。
しかし、働いているうちに「生活に無理のない範囲で」「将来の選択肢を増やすために」準備しておくという考え方も、退職後の一つの安心材料になると思っています。
※ここで紹介している内容は、あくまでわたし自身の体験や感想で、投資をすすめるものではなく、始めるタイミングや方法は人それぞれです。
※投資にはリスクがあることを理解した上で、「どんなものか知ってみたい」「少額から始めてみようかな」という方は、情報やサービスをチェックしてするのも一つの方法だと思います。
わたしはSBI証券や楽天証券など、手数料が変わらないネット証券を利用しています。
口座を開設しなくても、いろんなお知らせやニュース、NISAの仕組みなど情報を見ることができ、投資なんてまだ先。と考えている場合でも、見るだけなら損はありません。
また、投資じゃなく、副業で自分の預金を増やすのも一つの方法です。
いきなり答えを出そうとせず、まずはいろんなことを知ってみるだけでも、選択肢が広がり気持ちが少し楽になるかもしれません。
失業保険は「保険」として受け取るもの


失業保険について調べる中で、失業保険は「辞めたあとに支えてくれる制度」であることを知りました。
ここでは、わたし自身が感じた、失業保険の位置付けについてお伝えします。
失業保険は退職後の生活をサポートしてくれるもの
私が退職を決めた理由は、業務量の多さや体力的な限界など、いろいろな理由で「このまま続けていくのは難しい」と感じたから辞めました。
失業保険は、辞めたあとに「結果として」受け取ったもので、退職後の生活を「助けてもらえる」制度だと感じています。
もらえる制度は使うが、頼りすぎない
失業保険は、確かに助けになります。
しかし、これまでの給料と比べると金額はぐっと下がり、「これだけで安心して生活できる」というほどの余裕はないです。
私にとって失業保険は、生活を支えてくれる“柱”というより、困ったときに助けてもらえる存在、という感覚でした。
辞めたいときに辞められるよう、普段から蓄えておく


退職を経験して強く感じたのは、失業保険よりも「普段からの備え」の大切さでした。
特に看護師の仕事は、体力やメンタルの消耗が避けられません。
辞めたいときに選択肢を持つために、意識していたことをまとめました。
失業保険ありきで生活を組み立てようとしない
失業保険は、確実なお金ではありません。
申請してもすぐに振り込まれるわけではなく、給付額も、これまでの収入と比べると大きく下がります。
「これがあるから大丈夫」と思ってしまうと、実際にもらったときにギャップが生まれます。
看護師は体力勝負だから、常に「辞められる余白」を持っておく
看護師の仕事は、体力もメンタルも消耗します。
どれだけ気をつけていても、「もう無理」と感じる瞬間が突然来ることもあります。
だからこそ私は、辞めたいときに辞められない状況だけは避けたいと思っていました。
そのために、普段から以下の2つを意識していました。
- 大きな生活水準を上げすぎない
- ある程度の貯蓄をしておく
看護師という体力勝負の仕事だからこそ、お金の余白があることで、「もう無理」と感じたときも落ち着いて判断できたと思っています。
もうひとつ、私にとって大きかったのが、「正社員以外の働き方も選択肢として持っておく」ことでした。
今は、派遣看護師として、看護師の仕事を週3回しています。
実際に派遣看護師として働いてみて感じたことや、どんな人に向いているかについては、別の記事でまとめています。


退職後すぐに次の職場を決める必要はありませんが、「この先どうしようかな」と考え始めたタイミングで、転職情報を少し見ておくだけでも、気持ちが落ち着くことがあります。
無理に動くためではなく、選択肢を知るための情報収集として、転職サイトをのぞいてみるのも一つだと思います。
退職前にやっておくと安心なこと


「辞めたあと、どうなるか分からない」という不安は、準備があるだけでかなり軽くなります。
わたし自身、退職前に少し考えておいただけで、気持ちが少し楽になりました。
ここでは、お金の面でやっておいてよかったと感じたことをまとめています。
失業保険が入るまでの空白期間を想定しておく
失業保険は、退職してすぐに受給できるものではありません。
- 何ヶ月無収入になるのか
- 貯金でどこまで耐えられるのか
自己都合退職の場合は給付制限で受給がないため、 その期間も含めて想定しておくことが大切です。
家計を一度整理しておく重要性
退職後のお金について考える中で、やっておいてよかったと感じたのが、家計を整理することです。
働いている間は、毎月収入があるため深く考えずに生活していましたが、退職を意識した時に「このままで大丈夫かな?」と思うようになりました。
まずは、固定費や日々の支出を洗い出し、「何を削るか」ではなく、何にいくら使っているかを確認することにしました。
1ヶ月に必要なお金が見えると、今の貯金でどれくらい生活できそうかが分かり、それだけで、不安は少し和らぎます。
さらに、「最低でも〇ヶ月分は確保しておきたい」と、貯金の目標も立てやすくなります。
お金の不安が消えるわけではありませんが、見通しがあるだけで、退職やその後の選択を落ち着いて考えられるようになったと感じています。
お金の見通しがあるだけで判断は落ち着く
先が見えないと、人は不安になります。
でも、見通しが立てば、冷静な判断ができるようになります。
退職を経験して感じたのは、失業保険があるかどうかよりも、普段からお金とどう向き合ってきたかのほうが、気持ちの安定に大きく影響するということでした。
これから退職を考える看護師さんへ


失業保険は、「支え」にはなりますが、生活の柱にはなりません。
だからこそ、働き方を選ぶために、お金の選択肢を持っておくことが大切だと感じています。
少しでも余裕をつくることで、次の道を焦らずに探せるようになります。
この経験が、これから退職を考える看護師さんの判断材料のひとつになればうれしいです。
失業保険受給中に考える今後の働き方について、自分の体験を交えた内容を以下の記事で詳しく解説しています。
今後の働き方に迷っている方は、ぜひこちらも参考にしてください。


参考文献
1)国民年金保険料|日本年金機構
2)国民年金保険料の前納|日本年金機構






